2022-01-01から1ヶ月間の記事一覧
同タイトルのデンマーク映画のハリウッド版リメイク。最初から最後まで室内に閉じこもったオリジナルに対して、冒頭とラストに外景が入るが、それ以外の構成と展開はほぼ忠実。変えているところは少ないのだが、ただその少ないところで決定的にハリウッド映…
妹を救おうとする兄の話であると同時に、そのために協力を求める女性とその娘との関係も維持しなくてはいけない、自分の家族だけをエゴイスティックに考えていてはいけなくなる過程を丹念に描く。それでも一瞬の油断から娘を持つ母親には許されないことをし…
無制限な自由をふりかざして麻薬から仮想通貨からなんでも流通させた闇Amazonとでもいうべきサイトを主宰する若者と、それを摘発する素行が悪くてIT技術に疎い中年男のドラマ、なのだが、このキャラクターの対立が意外と単純ではない。IT音痴ということにな…
実物はセレブであるはずのレディー・ガガが非セレブからのし上がっていく感じを全身で出しているのが面白い。「アリー スター誕生」も役としては近いものがあった。マクベス夫人ではなくてマクベスなのね。ちゃんと魔女までいる。シェイクスピアの格調と物々…
即、午後のロードショー行きという感じの一編。レニー·ハーリンといったら「ダイ·ハード2」「クリフハンガー」といった大味アクション大作の監督だが、このところテレビで撮ったり中国資本で撮ったりと正直迷走気味で、今回ハデな見せ場といえば砂漠を車とバ…
西部劇というマチズモの権化みたいな世界を、ホモソーシャルとホモセクシュアルとがごっちゃになっている独特の性的な歪みから描くのが「ピアノ・レッスン」「イン・ザ・カット」のジェーン・カンピオンらしいところ。女性から見た男の世界、それもカンバー…
血中アルコール濃度が0.5%の時は一番パフォーマンスが上がるという怪しげな説に従ってマッツ·ミケルセンとその仲間が飲みだすのだが、そういう具合にコントロールできないのがアルコールなのだし、変な言い訳しながら飲むのが依存症なのではないか。ムリなの…
先日の「マークスマン」に輪をかけて、淡白なのにびっくり。イーストウッドがリーアム·ニーソンより20以上歳上の分だけ枯れた感じ。走る車を追う空撮に続いて車のドアが開いてイーストウッドの長い脚がぬっと出るオープニングは「ガントレット」を引用したみ…
監督はイーストウッドの助監督や製作を担当してきて、「人生の特等席」で監督デビューしたロバート・ローレンツ 。モーテルのテレビでイーストウッド主演の「奴らを高く吊るせ!」が放映されている。リーアム·ニーソン主演作は似たり寄ったりのようで実は結…
中国社会の激烈な受験競争といじめと、格差を超えた恋愛というずいぶんと欲張った内容。チンピラと優等生の女の子の組み合わせって、日本のマンガかと思うような話。受験の描写は日本に似ていてそれ以上にファナティック。日本だと経済的に余裕がないと受験…
True Northというから真実の北朝鮮という意味かと思ったら、「真北」「真に重要な目標」という意味もあるのだという。地獄のような北朝鮮収容所にあっても失われない人間性のこと、と解釈していいだろう。フランクルの「夜と霧」の現代版というか。悲惨な収…
時代を第一次大戦頃に遡ってエピソード0式の作り方にしている。画の作り方にこれまで同様スタイリッシュなセンスは出たけれど、ソンムの戦い(「1917」「突撃」などでも描かれた)な実在の戦闘が背景になっているせいか、タッチが意外なくらいシリアスに傾く…
「私や妻が関係していたということになれば、それはもう私は、それは間違いなく総理大臣も国会議員も辞めるということははっきり申し上げておきたい」という安倍晋三発言がそっくりそのまま出てくるのには驚いた(ただし、発言者の顔は出てこない)。これが官…
一度散逸したと思われた大正時代の映画が発見されて、いつでも配信で見られるのだから、凄い時代になったもの。精神病院(その頃は脳病院と呼ばれていたのでは)を舞台なのだが、鉄格子が視覚的には要になっているのが直接影響を受けた「カリガリ博士」の表…
1975年作。武侠映画の古典であると共に、振り付けられた殺陣と編集で立ち回りを作っていく方法の原典でもある。しかし、特にカットの組み立てがきっちりあらかじめ計算されていて明らかに通常のカンフー映画のめぐるましさとは一線を画している。故金銓(キ…
国立映画アーカイブホームページから引用。「一世紀以上にわたって映画宣伝の核となってきたポスター――それは時代や地域によってスタイルを変えながら、映画館に向かう私たちの心を絶えず躍らせてきました。現代では広報メディアの主軸はインターネットに移…
デュポンという大企業が実名で登場するのはアメリカ映画では常識とはいえ、徹底した敵役なのでやはり驚く。敵役といっても、会社の人間が悪役として姿を現す場面はごく少ない。下っ端も経営陣も一応描かれるが、たとえば憎々しい顔をさらして悪役キャラクタ…
昨日に引き続き、レンタルビデオ店閉店につき未配信映画を借りて見た。在日の女性監督ヤン・ヨンヒが朝鮮総聯の幹部であるアボジ(父親)を撮ったドキュメンタリー。本気で金日成を敬愛しているのに見ていて引くが、肉親としての視線で捉えられると簡単に排除…
近くのレンタルビデオ店が閉店するので、配信にいまのところ乗ってない、秩父困民党の反乱を描いたこの映画を借りた。いわゆる、というかれっきとした社会派映画なのだが、アクション時代劇の棚に置いてあって、それが相応しくある。後半の大群衆シーンはい…
かなりマジの権力者とされる側の分断とだぶる警察の本質的なピラミッド構造についての批判的な視点と、警官たちの仲間意識(女性刑事を自然に含めている)など、てんこ盛り。前半は回想をはさむ複雑な語り口で、ときどき混乱する。ああこういうことだったのね…
3時間半というのはちょっと前のインド映画だったら驚くほどの長さではなかったかもしれないが、最近経済成長で忙しくなったせいか短めになってきている中ではいささか長い。主人公の青年がボディビルダーとして成功したのを足掛かりに化粧品メーカーのイメ…
全編フィックスでワンシーンワンカットで描かれる、それぞれがどう繋がるのか、一見してはっきりしないエピソード集。それらにこれこれしている男(あるいは女)を見たといったナレーションがかぶる。イエジー⋅コシンスキの「異端の鳥」に続く第二作にして全…
聴力を失ったミュージシャンの世界をその主観に合わせて音がほとんどなくなったり微かに聞こえるだけにして表現した、アカデミー音響賞を受賞した音響演出が秀逸。ベートーヴェンの伝記もこういう作り方するのもありかなと思った。5.1chステレオと2chステレ…
12月の読書メーター読んだ本の数:25読んだページ数:5860ナイス数:3増補新版 フェリカの真実: 電子マネーからデジタル通貨へ読了日:12月01日 著者:立石 泰則編集王(1) (ビッグコミックス)読了日:12月01日 著者:土田世紀編集王(2) (ビッグコミッ…
本年もよろしくお願いいたします。 - YouTube