映画日記blog

見た映画その他についての日記です

「 長崎―閃光の影で―」

 

「 長崎―閃光の影で―」
先輩の看護婦(戦時中のことで、看護士ではなくそう呼ぶ)が白人のアメリカ兵と連れ立って行くのを、戦争が終わりましたよという玉音放送のような記号的表現を挟まないでぽんと繋げて出したのにちょっと驚いた。
看護婦にとっては命を繋ぐ仕事はシームレスに続いているということか。
 
ラストで長崎型(プルトニウム型)原爆の実写が出る。開発中は広島型(ウラン型)をリトルボーイを呼んだのに対してファットマンと呼ばれたのにふさわしいまるまるとした形状で、その破壊力を知らないと可愛いとさえ思えるのにぞっとする。
 

見た回がほとんど満席だったのは意外というと失礼だがちょっと驚いた。

「テロリズムの夜 パティ・ハースト誘拐事件」

テロリズムの夜 パティ・ハースト誘拐事件」
45歳のときスキー事故で早世したナターシャ・リチャードソンが母親のヴァネッサ・レッドグレイヴそっくりなのが異様なくらい。目のあたり、口のあたり、高身長、要するに全部。
母親のヴァネッサは「ジュリア」のナチに対する女闘士役でオスカー助演女優賞を獲ったときのスピーチでパレスチナを支持する発言をしてオスカー会員たちの袋叩きにあったものだが、今だとどうなるだろう。
 
テロとはいっても政治色がどの程度のものなのかここで描かれる限りではよくわからず、金持ちの新聞王ランドルフ・ハーストの娘パティに反感を覚えての犯行かもよくわからない。ただのろくでなしどもが言い繕ってするだけではないかと思わせる。
その代わりというか、パティの変わらなさ加減の描写は手堅い。人間はどんなことにも慣れるものだといったのはドストエフスキーだったが、立場が変わっても対応・適応する体質自体は変わらない。金持ちのお嬢さんとなれば、なおさらそうだろう。
 
ドアを蹴破って踏み込むのがテロリストも警察も同じなのがパティの主観で描かれる。
 
 
 
 

 

 

「木の上の軍隊」

「木の上の軍隊」
敗戦を知らないまま二年間あまりをジャングルで覆われた戦場で過ごした兵士たちの実話と聞くと横井庄一軍曹、小野田寛郎少尉を連想するが、彼らはそれぞれ単独で発見されて日本に帰国したのであり、ドラマにするには普通ふたり以上の人物が必要で、山田裕貴堤真一が沖縄出身の兵士とそれ以外の地(宮崎)出身の上官という形で出身地と階級の上下という形で端的に対立する。
 
もとが井上ひさしの芝居のせいか限られた空間でしばしば場面が現実と幻想と交錯する構成だが、ロケ映像の瑞々しさの魅力が大きく風通しをよくしている。
 
アメリカ兵の残飯(これが贅沢)で命をつなぐようになり、それを取り上げられると直ちに命とりになる寓意は日本のあり方全般に通じる。
 
スタッフ・キャストともに沖縄出身者が多い。
 
 
 
 

 

 
 

「SF核戦争後の未来・スレッズ」

 

スレッズ
 
核爆弾で一瞬で街が炎上するシーンの迫力以上にその後のヘビの生殺しのようにえんえんと体調が悪くなり苦痛が長く続く描写に、そういえば原爆症というのはその場で死んでも長く苦しんで死んでも最悪だったのだと思いだす。
被爆国として知っておくべきことだし知らないわけではないつもりではあるが、長くしつこい描写は生理的にこたえる。
 
女性が小便を漏らしたり人肉を食べたりする描写に踏み込んでいる。
 
ヨーロッパの人たちにとっては核戦争の恐怖というのはキューバ危機であって広島長崎というわけではないのがインタビューでわかる。
 
 
 
 

 

 

「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」

 

「ファンタスティック4 ファースト・ステップ」
いくらなんでも妊婦を宇宙に打ち上げるってどうよ。超能力のある妊婦にせよ、胎児はふつうの胎児かもしれないのだし。
 
星を吞み込んでしまう存在というと、「帰ってきたウルトラマン」の暗黒怪獣バキューモンを連想したりしたのだが、造形は歩き方からし大魔神みたい。
 
 
 
 

 

 

「聖者」

聖者
実写版パタリロこと加藤諒みたいな顔と体形の不老と名乗る坊主ビリンチ・ババが出てくるなり信者たちの心をがっちりつかんでいるのを端的に見せる。ただ地平線から日が出るだけなのをありがたげに奇跡が起こったかのように演出したり、プラトン(信者はローマの占い師かなどと言ってる)と議論したとか、アインシュタイン相対性理論を教えたとか、キリストやブッダにも教えを諭したなどと大ボラを吹きまくって、ほとんど笑ってしまうのだが、信者の娘と彼女に思いを寄せている気弱な男にとっては笑いごとではない。
 
インチキ坊主がわかりやすい悪でそれに立ち向かうチームの作戦もずいぶん単純で、実際には信心≒盲信=洗脳を解くのは簡単ではないだろうが、素直にハッピーエンドになるのはありがたい。実は微妙に勧善懲悪は避けているのだが。
 
 
 

 

 
 

2025年7月に読んだ本


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7月の読書メーター
読んだ本の数:20
読んだページ数:4293
ナイス数:7

決定版 切り裂きジャック (ちくま文庫)決定版 切り裂きジャック (ちくま文庫)
読了日:07月03日 著者:仁賀 克雄

 

 

 

すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)すべての、白いものたちの (河出文庫 ハ 16-1)
読了日:07月05日 著者:ハン・ガン

 

 

 

霊的最前線に立て!: オカルト・アンダーグラウンド全史 霊的最前線に立て!: オカルト・アンダーグラウンド全史
読了日:07月05日 著者:武田崇元,横山茂雄

 

 

 

万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)万延元年のフットボール (講談社文芸文庫)
読了日:07月06日 著者:大江 健三郎

 

 

 

書くことについて (小学館文庫) (小学館文庫 キ 4-1)書くことについて (小学館文庫) (小学館文庫 キ 4-1)
読了日:07月09日 著者:スティーヴン キング

 

 

 

物語論で読む村上春樹と宮崎駿 ――構造しかない日本 (角川oneテーマ21 A 102)物語論で読む村上春樹と宮崎駿 ――構造しかない日本 (角川oneテーマ21 A 102)
読了日:07月12日 著者:大塚 英志

 

 

桐生市事件: 生活保護が歪められた街で桐生市事件: 生活保護が歪められた街で感想
桐生市生活保護を水際で食い止める作戦?を「硫黄島作戦」と呼んでいたというブラックユーモア以上のグロテスクさにぞっとする。
読了日:07月13日 著者:小林 美穂子,小松田 健一

 

 

追跡 公安捜査追跡 公安捜査
読了日:07月21日 著者:遠藤 浩二

 

 

 


ハリスの旋風 (1) (コルク)ハリスの旋風 (1) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (2) (コルク)ハリスの旋風 (2) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (3) (コルク)ハリスの旋風 (3) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (4) (コルク)ハリスの旋風 (4) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (5) (コルク)ハリスの旋風 (5) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 

 

ハリスの旋風 (6) (コルク)ハリスの旋風 (6) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (7) (コルク)ハリスの旋風 (7) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


ハリスの旋風 (8) (コルク)ハリスの旋風 (8) (コルク)
読了日:07月24日 著者:ちばてつや

 

 


勝つために戦え!〈監督篇〉勝つために戦え!〈監督篇〉
読了日:07月25日 著者:押井 守

 

 

 

獣の戯れ (新潮文庫)獣の戯れ (新潮文庫)
読了日:07月25日 著者:三島 由紀夫

 

 


幻想小説神髄 (ちくま文庫)

幻想小説神髄 (ちくま文庫)感想
映画「砂時計」を見たので「クリプシドラ・サナトリウム」を読んだ。
読了日:07月26日

 

 
あなたを陰謀論者にする言葉 (フォレスト2545新書)あなたを陰謀論者にする言葉 (フレスト2545新書)
読了日:07月30日 著者:雨宮純

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